安倍内閣の方向

新内閣の課題
1.新内閣は次から次へと会議体を復活させて如何にも仕事をするようなふりをしている。政府主催の会議とは、単なる官僚作成の作文を承認する機関に過ぎない。指定された場所に着席すると、机の上に委員記名入りの資料が準備されている。座長の挨拶の後は、後ろに控えている作成元の官僚が説明する。

2.委員には質問は許されるが、反対でもしたら大変なことになる。もっとも予めそのような委員は排除されているから、反対する人はいない。要するに昔通りの官僚政治へまっしぐらという安倍内閣だ。それでも朝日や読売が持ち上げるから、国民は少しは暮らしが良くなるなどと幻想を抱いてしまう。

3.公共事業、金融政策、成長戦略と3本の矢などと何か新しい企画かと思わせているが、内容は旧来の手法と全く同じだ。バブル後、20年間も同じ事を繰り返してきたが、結果は財政赤字を増やしただけだ。失敗した人が責任も取らずに復活して同じ過ちを繰り返す。安倍の頭には7月参院選挙しかない。

4.日銀にカネ刷らせて、公共事業で一時的にも景気が良くなったフリをする。ばらまきと金融緩和でミニバブルを起こさせようという狙いで、国民に少しでも期待を抱かせようとしている。参院選挙が終われば元の黙阿弥になることは分かっている。ムードで株価は上がっているが、いずれ底が割れる。

5.そもそもデフレの原因が何かの追究すら行われずに、金融緩和するのが方向違いだ。デフレの原因は高齢化社会を背景として、グローバル化とIT化で世界中どこでも同じような製品ができるようになったこと、安い製品が途上国から流入したことによる。コスト競争力ではなく、新技術新製品開発とともに、それを支える中小企業の育成、教育が重要だ。