為替戦争

為替戦争
1.円安を仕掛けた日本に対して、各国から徐々に反論が出始めている。先進国は現在どこでも日本と同じで、デフレと財政危機で喘いでいる。だから為替レートは国の存亡がかかっている。1月下旬にDC訪問を予定していた安倍さんに対して米国が忙しいとの理由でノーと言った背景にはTPPと通貨の問題がある。


2.オバマさんがどんなに忙しくても半日ぐらいの時間をとることはできるはずだ。日本の態度が曖昧のまま挨拶をしても意味がないというメッセージだ。IMFの専務理事も「競争的な通貨切り下げ政策には反対」と日本にくぎを刺した。2月15─16日にモスクワで開催するG20財務相・中銀総裁会議で主要議題になるみたいだ。


3.G20では通貨戦争が主要テーマとなる。円が90円になったところで、ユーロ圏でも「ユーロ相場は危機的状況だ」とか「日本の金融緩和は大きな懸念」などと表明されている。米国の自動車団体からは「日本の政策は貿易相手国に甚大な被害をもたらす」との声明が出された。円安包囲網が形成されはじめた。


4.円安メリットは輸出だが、GDPに占める輸出額は今は10%程度だから、効果は限定的だ。それよりも油とガス、食糧で30兆円の赤字がさらに膨らむので、生活コストに影響する。経済無策のアベとアソウでは、もはやこのあたりが限界だろう。ノーベル賞クルーグマン先生が評価などと報じられたが、これはよく読むと安倍に対する皮肉なのだ。


5.「アベは経済政策への理解は薄く、それ故に正統的な理論を無視した」とか「もしアベノミクスが成功したら、何か新たな特筆すべき事が起こるかもしれない」と揶揄している。要するに成功しないだろうとコメントしているだけだ。日本はドルを相手に通貨戦争をするわけにはいかないし、米国がドル安に本気になったらスゴスゴと安倍は幕を引くだけだ。

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デフレの話

デフレ論議
1.デフレ議論でよく間違うのは、個々の商品価格と物価水準を混同している事だ。商品価格の低下と物価の低下が同じなら実質的な価値は不変だ。給料で買えるものは増加するから、デフレは消費者には好ましい事だ。過去10年間、消費者物価上昇率は殆どゼロで安定しているからデフレスパイラルは存在しない。

2.デフレで実質賃金が上がると、企業収益は下がる。インフレによって実質賃金を下げて企業利益を増やす。インフレは実質的な賃下げをもたらす。安倍の政策は参院選挙対策で公共事業で一時的に好況を演出するだけだ。その結果はこれまでと同じで間違いなく財政赤字を増やすだけだ。

3.このまま国債を発行続けると、政府債務は20年後には2000兆円になる。これは国内では消化できない。ドル建て国債金利は急上昇して財政破綻する。つまり、許される財政赤字は現在の千と2千の間に限界値がある。欧州でもこの財政破綻と言うリスクをどの様に評価するかとの議論が起きている。

4.人口減少下で、成長を維持するには、労働生産性上昇率が人口減少率を上回らなければならない。日本は人口も労働人口も減少している。労働生産性が上がらなければデフレになるのは理の当然だ。潜在成長率の低下は日銀がカネを配っても解決しない。労働しない人口は2030年に労働人口の7割になる

5.次に、若者と高齢者の資産格差がある。個人金融資産の60%は60歳以上の高齢者が持っている。老人は消費も少ないし、投資もしないから経済が停滞するのは当然だ。解決するには、女性の就労と移民の受け入れだ。もう一つは労働生産性の向上だ。ところで、成長産業を育成することが可能なのだろうか。

6.成長産業とは自国に工場を持たないで、労働力のある海外に工場をもつアップルの例に象徴される。そうでないと競争力に勝てない。エネ産業でも、ドイツで太陽電池が中国製に席巻されたように、要素技術は海外に負けてしまう。残りは観光、医療、農業で大規模雇用とはいかない。公共事業も国の財政を危なくするものだ。

7.現在の日本人と米国人の食生活を世界中の人々が享受した場合、もう一つ地球が必要となる規模だ。資源は限られているのだから、全ての人々が有限の資源を分かち合って生きていくには、日本人の生活レベルを30%ほど縮小する事だ。それしか解決の手段は見つからない。日本は途上国と比べると、もう十分に成熟しているから少し生活のレベルを落としてもよい。余り景気の良い話にはまとめられなかった

税制改悪金持ち優遇へ

金持ち優遇の税制改革
1.税制改正案が聞こえてきたが、考え方の基本が金持ち優遇の内容だ。贈与税の非課税で祖父母が孫1人に1500万円まで課税しない案だが、そのような大金を出せる高齢者は100人中2,3人だろう。非課税にしなくても既に孫にカネを使っているはずだ。教育に金持ちを優遇する事は、憲法26条にある「全ての国民は、等しく教育を受ける権利を有する」に違反する。

2.教育を受ける機会はカネのあるなしに係わらず均等であるべきだ。教育に差が出るのは健全な税制とは言えない。所得税最高税率は1974年まで79%だったが、小泉が金持ち優遇を正当化して40%に下げた。これを45%にすると言うが、せめて50%以上にすべきだ。次に相続税だがこれも弱者いじめだ。

3.相続税基礎控除は「5000万円+法定相続人×1000万円」である。これを「3000万円+法定相続人×600万円」に引き下げる案だが、明らかに弱者いじめだ。これだと、都市部で生活する普通の給与所得者も相続税を納税するケースが多くなる。金持ち優遇税制では格差はますます拡大する。

4.国民は12月の選挙で自民党政権を復活させたから、安倍政権はすべてしたい放題で昔の自民党政治を取り戻そうとしている。税制だけでなく、原発容認、防衛費拡大、集団的自衛権容認、憲法改正などだ。これに反対なら、7月の参院選挙で安倍政権に不信任を出す手が残されている。ノーモア安倍をどう考えるかだ。

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安倍内閣の方向

新内閣の課題
1.新内閣は次から次へと会議体を復活させて如何にも仕事をするようなふりをしている。政府主催の会議とは、単なる官僚作成の作文を承認する機関に過ぎない。指定された場所に着席すると、机の上に委員記名入りの資料が準備されている。座長の挨拶の後は、後ろに控えている作成元の官僚が説明する。

2.委員には質問は許されるが、反対でもしたら大変なことになる。もっとも予めそのような委員は排除されているから、反対する人はいない。要するに昔通りの官僚政治へまっしぐらという安倍内閣だ。それでも朝日や読売が持ち上げるから、国民は少しは暮らしが良くなるなどと幻想を抱いてしまう。

3.公共事業、金融政策、成長戦略と3本の矢などと何か新しい企画かと思わせているが、内容は旧来の手法と全く同じだ。バブル後、20年間も同じ事を繰り返してきたが、結果は財政赤字を増やしただけだ。失敗した人が責任も取らずに復活して同じ過ちを繰り返す。安倍の頭には7月参院選挙しかない。

4.日銀にカネ刷らせて、公共事業で一時的にも景気が良くなったフリをする。ばらまきと金融緩和でミニバブルを起こさせようという狙いで、国民に少しでも期待を抱かせようとしている。参院選挙が終われば元の黙阿弥になることは分かっている。ムードで株価は上がっているが、いずれ底が割れる。

5.そもそもデフレの原因が何かの追究すら行われずに、金融緩和するのが方向違いだ。デフレの原因は高齢化社会を背景として、グローバル化とIT化で世界中どこでも同じような製品ができるようになったこと、安い製品が途上国から流入したことによる。コスト競争力ではなく、新技術新製品開発とともに、それを支える中小企業の育成、教育が重要だ。

自虐史観

自虐史観の元凶(続き)
1.東京裁判国際法に違反していたことは現在、意見はほぼ一致している。裁判の結果を日本はサンフランシスコ講和条約で受け入れたが、裁判自体は無効である。東大法学部横田喜三郎教授はこの裁判を「世界史における一つの金字塔」と絶讃した。そのために、横田先生は自虐史観の元凶となった。


2.「中央公論」昭和23年9月号に掲載された「東京裁判による国際的反省」で先生は手放しでこの裁判を絶賛した。一つには「わけても満州事変からの15年間にわたる日本の行動の総決算」であり、二つには「世界の平和と正義を確保し、人類と文明の存続を保証することを志している」、「平和主義と国際主義」としている。

3.横田先生はこの裁判の国際的意義に説き及び、「世界の歴史に画期的な展開をもたらし、人類の将来に絶対の影響を与えるのである」と断定する。この誤りは東京裁判後も侵略戦争が絶えないし、「勝った方は何をやっても正当化出来る」という考えから、却って戦争を助長したという見方で証明されている。

4.最高裁長官にまでなった人物が「罪刑法定主義は、専制君主ではなく、公正な国の代表ならば、必ずしも必要ではない」という暴論を語る恐ろしさだ。「ほとんどすべての国家の間で、侵略戦争を国際犯罪と見ようとする強い意向のあることは、疑いをいれない。」と横田先生は語った。歴史的にも侵略でない戦争などはない。旗を上げざる負えない状況に追い込まれたかどうかを問題とすべきだ。

日本の歴史遺産

日本が残してきた歴史遺産
    「アジアとアフリカを支配してきた西洋人が、過去2000年の間、信じられてきたような不敗の神ではありえない事を、西洋人以外の人種に明らかにした事である」と、1956年に高名なトインビーが、日本が残してきた歴史の功績について述べている。戦争を美化する意図はないが、古代から戦争とは常に戦勝国にも敗戦国にも多くのメリットとデメリットを残すとともに、周囲にも様々な影響を及ぼしてきた。    

   1942年にシンガポールが陥落した時、ドゴールは「アジアの白人帝国の終わり」と記した。数百年にわたる西洋植民地体制が日本軍の一撃でもろくも崩壊した。欧米列強をアジアから追い出し、世界史を変えた事実は変えられない。この後に、比国、印度、インドネシアなど東南アジア諸国独立運動が広まった事も事実だ。

   米国のJ.C.レブラ教授は、東南アジア全域の独立運動について「日本による占領下で、民族主義、独立要求はもはや引き返せない所まで進んでしまったことを,英国、オランダは戦後になって思い知ることになる」とその著作「東南アジアの解放と日本遺産」で記している。
 
   終戦後、日本人は一億総懺悔と言って、すべて日本が悪かったから、中韓の言う事はすべて正しいとなり、只管謝罪するだけだった。このため、中韓に付け入られる隙を与えてしまった。これに便乗した左翼達の平和主義者も滑稽な運動を繰り返してきた。反戦平和運動と言うのは、相手国や武力行使を公言する国にいうもので、国内に向かっていうものではないはずだ。

   50年前、南太平洋にあるフランス領ポリネシアの島、ムルロワ環礁で仏国が核実験をしたとき、国会議員がここに出向て反対運動をしたが、中国の核実験に対しては全く反対していない。中国のほうが仏国よりも遥かに日本にとっては、核実験は平和の脅威になるはずだ。ことほど左様に中国に気を使ってきた日本だ。これまでにODAで10兆円も渡しても、感謝の一つも無い国だ。もはや気を使う事ははない。

韓国新大統領の父

韓国新大統領の父
1.朴 正煕(1917年11月 - 1979年10月)は、韓民国の軍人、政治家だ。第5 - 9代大統領(在任:1963年 - 1979年)を務めた。1944年 日本陸軍士官学校卒業して、満州国軍中尉で終戦を迎えた。1963年8月に軍を退役し、大統領選に出馬した。

2.1965年6月22日には、日本との国交を回復(日韓基本条約)した。独裁的だったが、韓国大統領の中で極めて清廉潔白な大統領で、汚職も見られず、彼の死後には私有財産がほとんどなかったという。韓国の発展に最も大きく貢献した大統領で、大統領の人気ランキングでは、朴正煕がダントツ1位だ。

3..「日本の統治は良かった。貧しかったが、義務教育を普及させたので自分は士官学校までいけた。日本の教育は公平だった。日本の政治も評価している」。また「明治維新の志士を見習いたい」と称賛していた。西郷が語った「子孫のために美田を残さず」という言葉を好んで使っていた。

4.朴は自著「韓民族の進むべき道」で、韓国人の「自律精神の欠如」、「民族愛の欠如」、「開拓精神の欠如」、「退廃した国民道徳」を批判し、「民族の悪い遺産」として次の問題、事大主義、怠惰と不労働所得観念、開拓精神の欠如、企業心の不足、悪性利己主義、名誉観念の欠如、健全な批判精神の欠如をあげた。

5.日韓併合について、、「しかしあのとき、われわれは自分たちで選択したんだ。日本が侵略したんじゃない。私たちの先祖が選択した。もし清国を選んでいたら、清はすぐ滅びて、もっと大きな混乱が朝鮮半島に起こっただろう。日本を選んだということはセコンド・ベストとして私は評価もしている」と記述している。娘の新大統領は親父の言葉をよくかみしめて対処すべきだろう。