2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ドル支配は終わるか

ドル帝国は終焉するか 1年半にも渡る米大統領選挙はあと4日となった。様々な波風があったが、10%の差をもって民主党オバマ氏の優勢は動かない。投票日になって、はじめて黒人大統領誕生のイメージに対する心理的葛藤を持つ人もあるから、マケイン氏との差…

遅すぎる金融サミット

ブレトンウッズ協定2.0 1944年7月、第二次大戦後の通貨金融体制を決める会議が45カ国も参加して、米国のニューハンプシャー州にある避暑地ブレトンウッズで開催された。戦争で混乱した世界経済を安定させ、国際的な協力による通貨の安定、貿易振興、開発…

有効な株価対策は解散

首相の経済センスと失言 10月7日の衆院予算委員会で、今回の金融混乱による株式暴落について「1929年の大恐慌の匹敵する」と首相は発言した。欧米のトップはこれだけは禁句としていたが、首相はあっさりと認めてしまった。これ以降、日経平均は1万円を割り、…

金融サミット

金融サミットの開催 11月15日にワシントンで世界20カ国の首脳が集まりG20が開催され、世界的な金融危機への対処策が協議される。1944年7月に大戦後の通貨や経済の混乱を収拾するために45カ国が終結したブレトンウッズ会議に準えられている。もしかしてこの会…

行政の不作為による殺人事件

不作為による行政の殺人 妊産婦にとって最後の砦であったはずの母子医療センターに指定されていた都立病院が受け入れを拒否して、妊産婦が死亡した事件は、明らかに都行政の不作為による殺人事件であろう。リスクの高い妊娠に対応する都内の病院24施設では…

嚥下窒息事件

食品事故のたびに こんにゃくゼリー、食パンによる窒息死事件が続いた。張り切っているのは消費者担当大臣で、ゼリーの製造会社のトップを呼びつけてヒステリックに「小さな警告マークのみの商品は回収し、出直せ」と製造中止させたと報道されている。こんに…

裏金作りの名人たち

裏金作りの精を出す役人たち 「起きてはならない事が起きた」との愛知県知事の釈明は真にしらじらしいものである。これは「見つかってはならない事が見つかってしまった」と言った方が真実に近い気がする。裏金とか預け金などは、役人集団のこの業界内では常…

時価会計の放棄

時価会計の見直し 企業会計基準委員会は金融商品に関する会計基準を見直すという。改訂案を年内にまとめて、金融庁が金融商品取引法の関係政省令で最終決定するようだ。2009年3月期からの早期適用を模索している。欧米で金融機関や企業が保有する債券や証券…

首相のおつむ

首相の頭の構造 文芸春秋11月号の首相の手記によれば「私は決断した。堂々と私とわが自民党の政策をぶつけて、その賛否を正した上で国民の信を問おうと思う。私は逃げない。勝負を途中であきらめない」とまるで、サッカーかなんかの監督みたいに、恥ずかしげ…

日本の地位

世界での位置 「日本は技術革新や企業活動で世界最高水準の競争力を持つ。しかし政府債務の項目が調査対象134カ国の中で下から6番目の129位、政府予算の無駄遣いは108位、財政赤字が110位、農業のコストが130位で、非効率な官僚制度と財政赤字が最大の問題…

米国のせいだけではない

日本の景気の足かせ 首相以下すべて景気が悪いのは米国のせいだと決めつけているが、もともと日本経済の足取りは昨年からおかしくなってきていたところに、外からの大波が来ただけである。経済の悪法3Kといえば「貸金業法改正」、「金融商品取引法」、「建…

大学ランキング

世界の大学ランキング 英国のタイムズ紙系列の情報会社THEは高等教育力の2008年版の世界大学ランキングを発表した。上位200校から慶応大が外れ、日本からは前年の11校から10校に減少した。国内では19位東京大、25位京大、44位阪大、61位東工大、112位東北大…

拉致は闇の中

ブッシュのあせり 「拉致に対してカードがなくなったわけではない」と首相はコメントしているが、テロ支援国家指定は最強のカードだから、全くの負け惜しみとしか言いようがない。金融支援法とともに、任期の迫ったレイムダックの大統領がはなった最後の矢で…

金融収縮からの脱出

デレバレッジ 巨額の借金で投資してきたサブプライム証券化商品、その他の証券化商品、CDSなど金融派生商品が大幅に値下がりした。投資家や金融機関はそれらを売却するか、目減りした分を償却しなければならない。借金を返済して、不良資産による損失で失わ…

バブル処理の経験

公的資金注入の経験 「日本は資本投入をやって、結果として金融危機をくぐり抜けた。G7で日本の経験として堂々と語ることができる」と首相が述べ、また、日銀前総裁は「問題処理の本質はかっての日本とまったく同じ」と説明して、金融危機の対応については先…

金融にプロはいない

ファイナンスのプロ 素人にはわかりにくい金融(ファイナンス)の話である。日銀総裁と言えば、金融に関してはプロ中のプロであるから、少しはましな内容のことを述べているのかと思ったが、全くの期待はずれである。金融政策決定会合後の記者会見で、景気回…

規制への口実

規制強化の口実としてはならない 大阪ミナミの個室ビデオ店の火災で、15人もの方々が亡くなった。このような事件が起きるたびに法規制が強化されるが、平気で法に違反することを確信的の行う犯罪には規制の効果は及ばない。個人の違法行為に対して、いちい…

嫌われ者

ベニスの商人 シェイクスピアのベニスの商人を引き合いに出すまでもなく、昔から金貸しは嫌われ者と決まっている。自動車やテレビのように眼に見える形で商品を生み出すのではなくて、利ざやで金儲けだけを企んでいると見られるからである。しかしながら、製…

他人事のように言う首相

明るく強く元気よく 何十年も前のことだが、小学校の担任の先生がよく、このような言葉を言っていたことを思い出す。メルマガで首相はこれと同じように「日本の元気を取り戻す、強くて明るい日本をつくることこそが、私の使命であると思っています。緊急な上…

国会論戦

野党の答弁権 臨時国会が始まり衆参両院で論戦が繰り広げられている。論戦とはそもそも、書類に記載されている文章を読み上げるものではなくて、相手の顔を真正面に見て言葉を戦わすものである。あるいは米国の大統領のように、隠されているカンニングペーパ…

相撲協会

おざなり改革 財団法人日本相撲協会にようやく外部から理事が起用されることになった。新理事長は「素晴らし経験の持ち主ばかり」というから、相撲に関してどのような経験を持っている人かと思ったが、3人とも70歳を超えた元大学教授、元東京高検検事長、元…

米国の銀行

米国発世界同時不況 米国には規模の違う様々な銀行がある。小は町単位のものから、州単位、いくつかの州にまたがるもの、そしてマネーセンタ的な役割を持つ金融持ち株会社的なJPモルガン・チェース銀行、シティバンク、バンク・オブ・アメリカBOAなどがある。…

捻じれてよじれた米下院

金融安定法案の否決 大統領と米財務省が議会に頭を低くして、ようやく採決に持ち込んだ金融安定法案があっさりと下院で否決されてしまった。民主党は賛成多数だったが、共和党は反対多数という結果で、トータルで反対多数で否決というのであるから、共和党の…