羹に懲りてなますを吹く

原発再稼働を考える
   原発は稼働中でも稼働していなくても電源が落ちて冷却水が途絶えたら燃料が溶融する事には変わりはない。福島でも稼働中の原子炉が地震で、制御棒が作動して全て核反応は停止したはずだ。その後、冷却水が来なかった事が水素爆発となった。再稼働しなければすべて安全と考える人が多いみたいだが、一度稼働すれば同じだ。    
  
   原発を再稼働しないで、1昨年のような酷暑を迎えたら各地で停電が続発し、熱中症での死者が千名を超すものと推定される。原発事故での直接的な死者は出てい ないのに、これでは話の辻褄が合わないだろう。政府と電力会社の安全審査は信頼できないのなら、海外からの専門家も入れた第3者の機関に任せればいい。

   地震津波安全神話、現場の不手際、原子力安全機関の判断ミスなど天災に人災の加わった複合要素が重なった極めて稀な原 発事故なのだ。チェルのやスリーマイルのような単純な操作ミスではない。このような事故は今後起きないと99%の確率で断定できる。そろそろ過剰反応から抜け出る時がきた。

   
   現在の福島市二本松市での放射線レベル は東京新宿駅の50倍ある。このレベルでも日に20本喫煙するよりも肺がんにかかる確率は遥かに低い。福島産の農作物に風評被害が出ているが、そろそろ危険を煽ることは止めるべきだ。福島に出かけて福島産の農作物を摂取する事こそ真の絆といえる。

   地震、台風、津波、火山、豪雨豪雪、地滑りなど昔から自然災害の多い国だ。新緑、桜や紅葉、果実など豊かな自然にも恵まれている。あらゆる自然を糧として、さまざまな文化遺産や技術を築いてきた。昨年は負の面が強調されたが、従容としてすべてを受け入れる事で、五木さんのように下山などと言わないで進みたい。