大阪秋の陣

大阪の秋を彩る闘い
地方分権
   大阪府知事と市長のダブル選挙が燃えている。特に、平松対橋下の市長選挙はまるで喧嘩選挙のようだとマスコミは囃したてている。投票日は11月27日だが、勤労感謝の日を挟んで何が起きるか分からない。それは兎も角、何が争点なのか新聞報道だけでは分からないが、中央官庁と同じように、地方官庁も行政制度が行き詰まって、このままだと財政赤字は増えるだけであることは確かだ。

   特に大阪市労働組合が強くて、役人の優遇制度が抜きんでていることはいろいろと指摘されてきている。例えば、背広の支給手当、徒歩通勤手当、独身手当など手当のオンパレードだ。これではいくら税金を集めても財政赤字は膨らむ一方だ。平松対橋下の争いの論拠は、前者は制度内での穏健改革であり、後者は制度を抜本的に変革する改革と言うことだろう。

   財政的な観点から見ると、前者はそれぞれの行政単位の独立性を確保しながら、全体として連合体にするもので、現在のEU型の構成と似ている。これに対して、後者の橋下氏は全体を1つの行政単位として、各行政単位の独立性は認めながらも、全体としては大阪都としてまとめる事で、多くの二重行政を廃止して効率を高めるというものだ。

   行政改革を現在の枠の中で改革しようにも限界があることは事実であろう。殆どの役人はこれまで育ってきた制度の中でしか物事を考えることしかができないから、せいぜい全体の大きさは同じで多少形を変える程度であろうことは目に見えている。この際、役人の意識を変えるためにも、公務員制度を抜本的に改革する手本を示してもらいたい。その意味で、大阪市民の選択は全国各市町村からも注目されている。