裏金と謝礼金

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野球界の裏金&謝礼金
 今さら驚くようなことではないが、西武球団だけ裏金の実態を暴露して巨人をはじめ他の球団が沈黙しているほうに驚いてしまう。さらに、プロ野球の責任者が「調査委員会にはウミを出してくれと依頼したが、拡大解釈して細かい数字まで出したので、収拾が難しくなってきた。外部に頼んだからそうなる。」というセリフには開いた口が塞がらない。これまで不正が発覚しても、マスコミでは「グランドで信頼回復をしろ」のような論理で問題の核心をすり替えてきた責任も重い。西武の裏金には堤一族が絡んでいることは言うまでもない。一族との決別狙いかもしれない。


 このコミッショナーは、ウミを出せといいながら、実は臭いものには早く蓋をしろと命じていたのである。裏金問題は実は日本の社会では常識であり、霞ヶ関では外務省以下の省庁、岐阜県庁をはじめとする各県の県庁、地方検察庁、地方の市役所などの官公庁では税金をいかにして仲間の飲み食いやタクシー代に化けさせることで手腕に長けた役人がこれまで大手を振ってきたことが明らかにされている通りである。最もここでの裏金は詐欺罪を構成するものであろう。

 謝礼とか裏金とか、日本社会での仕事をうまくこなす潤滑剤なのであろう。このような我々の感覚は、もしかして日本人特有のことかもしれない。海外事務所に駐在中のことであるが、日本からのお客に帯同して、ある大学や会社を訪問する場合に、何らかのお土産を持参して、先方に会うなり、いきなりそれを持ち出す人がほとんどであった。

 これは日本の社会では常識であるが、アメリカの社会では不思議なことと理解されていた。お土産を出すのなら、先方がこちらの意に沿うように十分に応対してくれたことを評価して、別れ際にさりげなく渡すのがスマートなやり方である。

 欧米の社会にあるチップというのは、あるサービスを期待して出すのではなくて、よくサービスをしてくれたことに対して出すものである。日本では謝礼の意味合いが強くなり、金額も大きくなっていくのが裏金になるのであろうか。