耳を疑うこと

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耳を疑うこと
 日本記者クラブでの党首討論会で、安部首相が「社会保険庁を解体し、日本年金機構にすることによって、年金財政は安定していく。JRは民営化してサービスがよくなった。社会保険庁も民営化すればサービスが良くなり。給付率が上がり、年金財政も安定する」と語っているのを聞いて、耳を疑ってしまった。この程度の理解力の人が日本国の最高権力者として君臨していることでは、とてもこれからも安心しているわけにはいかない。

 旧国鉄は解体され民営化されて株式会社になり、私鉄、航空機、バスなどの輸送機関と競争することで、サービスが良くなったといえるかもしれない。社会保険庁強行採決した今度の法律で職員は非公務員化するが、株式会社になるわけではなく、特殊法人となり、しかも給与は税金から支払われるのだから、JRとは根本的に異なり、どこを探してもサービスがよくなる保証はない。ましてや競争相手ができるわけではない。

 その上、国家公務員の給与水準を100とした場合、特殊法人のそれは130にもなり、社会保険庁は衣替えして、その職員の給与はよくなる可能性まである。また、公務員ではなくて、特殊法人になれば、官庁や国会のチェックシステムを効かなくなる。こんな説明で国民を誤魔化そうと本気で考えているとしたら、大間違いである。