農水大臣の亡霊

農水大臣の亡霊　　

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農水大臣の亡霊
　過去の領収書の公開に関して「国会でさまざまな議論がなされて、政治資金規正法によりルール化されている。国会議員としてはルールにのっとって処理すべきだ。法律に基づいて適正に処理し、公表するべきものを公表している」と述べ、公開しない考えを改めて強調した。農水大臣のこの発言を聞いて、あらためて、亡くなった前農水大臣の亡霊が発言しているのではないかと思ってしまう人も多いと思う。国会議員の事務所経費の処理には、いつも胡散臭さが付きまとっている。国民が問題にしているのは、この経費の出どころに我々の税金が使われているからである。

　安倍首相は「NHK討論」でも「17年度の光熱費は月800円ですよ」、「月800円の光熱費、おかしいんですかね」とここでも「800円」を半笑いで繰り返した。野党党首から、「1999年の事務所経費は年間1,915万円。この時は、800円どころじゃなく、光熱費だけでも年間131万円だったわけで、全体がまともな支出だったのか。安倍首相の「800円」は公表された分だけ言われたわけで、不明な点がないというなら領収書を付けて出す必要がある」と疑問が出されている。

　一国の首相が800円という金額をテレビで口に出した意図は、あまり問題を大きくしたくないということかもしれないが、問題は金額の大きさではなくて、何があったのかであり、10年間で9,000万円という事務所経費の中身を明らかにして、疑惑を持たれたら潔白を証明することが大事である。過去の領収書による証明ができないというなら、そんなことも明らかにできない人をなぜ大臣に任命したかということになる。