ウイキノミックス

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ウィキノミクス 第3次産業革命
 オープンソースという仕組みには、これまでの仕事の仕組みのように、誰かが誰かに命令するとか、人を雇用するとか、金銭上の取引とか、市場経済原理とかいうようなことは、どこにも存在しないのであるが、価値のあるソフトを生産していく不思議な力がある。

 ソフトウエアのコードをネット上でオープンにすると、それに関心のある人たちが世界中から無報酬で参画して、そのソフトの改良をしていく。MS社のOSであるウインドウズを脅かすリナックス、ネット上の百科事典であるウィキペディアなども、同じ考えの人たちが自由に参加して作られてきている。日本人の提案した言語ソフトのルビーも世界中からの賛同を得て、いまや立派な言語として確立してきている。wiki

 人力から蒸気機関の動力へ転換したことを第1次産業革命、生産のシステムをコンベヤーやコンピュータで効率化したことを第2次産業革命と呼ぶものとすると、この不特定多数がボランティアで参加する人類の知恵の生産システムを第3次産業革命と呼ぶことができるかもしれない。このオープンソースという仕組みを、欧米の大企業では金儲けの手段として取り込む試みが始まっていることを紹介した書物が「ウィキノミクス」である。世界中の不特定多数をどのようにして、企業という営利を目的としたコンサーンが取り込んでいけるのか、すでに様々な仕組みが考案されている。

 ここでは、これからのビジネスの基本を支える言葉は、オープン(open)、ピイアリング(peering)、コラボレイション(collaboration)、グローバル(global)の4つに集約されている。強いて和訳すれば、公開、同輩、共有、国際となろうか。
ウィキノミクスWikinomics
ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ (著), 井口 耕二 (翻訳)