学士力

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学士力
 何でも「力」をつければいいということで、老人力、父親力、母親力、社長力、女性力など変な日本語が大流行である。学問の世界でも、大学力、学長力、教授力ときて、遂に学士力となった。戦前の話だが、「学士様ならお嫁にあげよか」というように学士様の価値が高く「娘やるなら学士様へ」という映画までつくられたようだ。大学の数も増えて、その上に昨今の少子化時代では、無試験での大学入学が50--を越えているようなことになると、学士様では世間は通らなくなってしまってから久しい。
 
 そこで、文部科学省中央教育審議会では、大学卒業までに学生が最低限度身につけるべき能力を学士力と定義して、これを基にして、各大学で卒業認定試験などを実施するような制度を提案している。学士力の判定は、知識、技能、態度、創造的思考力の4分野で、その中で細かくは13項目を提案している。さらに、授業ごとの到達目標や成績評価の基準を明確にして、学士力の評価を把握したり、大学卒業の水準維持のために、学部別や全学的な試験をすることも考慮している。

 それならば、現在、高校に行かなくても、大学入学のための高卒認定試験があるのであるから、4年間も大学へ高い授業料を払って通わなくても済むように、大学卒業資格認定試験をするとか、社会人入門資格認定試験などを実施することで、よりすばやく社会に貢献できる人間を育成することができると思う。10代から20代への人生の貴重な時間を、殆どの学生が無駄に時間を過ごすのではなくて、学問、研究、趣味などともっと実り豊かな青春を謳歌するようなシステムを考えてもいいのではないだろうか。大学の先生が提案することではないが。