国連決議

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国連決議
 民主党は国連決議に基づかない自衛隊の海外派兵には反対するとの立場を明確にして、参議院選挙で勝ったのだから、この主張を変えるわけにはいかない。そこで、政府は選挙後、直ちに外務省を動かして、何とか国連決議のお墨付きを得ようと米国にも依頼して運動した結果が出たのが、安保理の今回の決議である。アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊の任務を1年間延長し、これに協力する多くの国の貢献に謝意を表明する内容だ。
 
 日本の国内事情を国際機関に持ち出した何かさもしい提案には、早速にロシアは反対して決議案の採決を棄権した。日本の外相や防衛大臣は鬼の首でも取ったように浮かれているが、内容をよく見ると、日本とか海上給油などという重要な語彙が欠けているので、それほど説得力のある内容とは思えない。

 しかし、だいたいこれまでの国連決議はそれぞれの国が自分の都合のよいように解釈してきたのであるから、日本政府は都合のよいように解釈すればいいのである。同じように民主党の方では決議案を詳細に検討して、実際には何も日本の給油活動を支援している内容ではないと解釈することもできると主張すればよい。

 イラクへの攻撃の根拠となっている国連決議1441についても、イラク大量破壊兵器などについて、国連への報告義務違反をすれば、重大な結果を招くであろうという文言だけで、米国は軍隊を出動させた。この時には、他の常任理事国は攻撃する決議が必要として米国の行動を牽制したことも記憶に新しい。