開店休業

http://iiaoki.jugem.jp/

日本国の開店休業
 内閣法では、首相に事故のあるとき、首相が欠けたときには、あらかじめ指定する国務大臣が臨時に首相の職務を行うと規定している。首相の海外旅行や病気療養は事故に該当するという見解だったはずである。通常は官房長官がその代理職務を担当する。今回の首相入院では誰の指示か不明であるが、代理を置かないで、首相は病院で執務している状態が続いている。故小渕首相が倒れたときには、時の官房長官が代理に就任したが、その経緯が不透明ということで、法律で臨時代理の順位を決めたはずだ。
 
 こうなると、代理首相を置くか置かないかを、どこで誰が決めるのかも決めておくべきと思う。日本国の最高責任者が通常の職務を行えないのは非常事態である。もしこのときに自然大災害や国の主権を揺るがすような事態が発生したら、誰が陣頭指揮を執るのであるか。病床では正常な判断を期待できない。12日から25日までの期間は、歴史的にも記録されるべき最高責任者不在の日本国ということとなろう。

 国会は10日に開催されて首相の所信表明演説の後、休業状態になっているが、いつ開かれてもいいように事務局は開会状態のまま待機している。人件費も含めて、1日に3億円の運営維持費というから、およそ40億円弱の経費が無駄になってしまう。自民党の総裁選挙であるから、一般の国民にとっては全く関係のないはずだ。いくら二人があちこちで愛嬌を振りまいても、顔みせパンダ程度のことである。国民が見たい聞きたいと思っていることは、山積する諸問題に対する二人の真剣な論争である。たまにテレビで政策論争をしている振りをするが、全く真剣みが伺えない。

 財政、経済、税制、外交、社会保障、格差、国の将来展望など数々の難問に対して、はっきりした見解や思想を展開してもらいたい。いま内閣で動きの見えるのは厚生労働大臣だけで、それも前向きの動きではなくて、社会保険庁の不祥事がらみのことで怒り心頭に発して、言葉だけはいかにもこの人らしく激越な調子であるが、どこまで真剣なのかは不明である。実績が出てきたら評価してみよう。