リビアと北朝鮮

リビアの制裁解除と北朝鮮
 リビアは2003年には国連、2005年には米国がテロ支援国家の認定を解除したので、現在、キューバ、イラン、シリア、北朝鮮テロ支援国家として経済封鎖の対象になっている。20世紀後半の冷戦時にはキューバカストロリビアカダフィーは、二人とも暴れ者として西欧諸国から遠ざけられていた。特に、カダフィーは1969年のリビア革命以来、石油資源の国有化を宣言して、核兵器の生産に乗り出したり、国際的な犯罪者を保護したり、1987年にはアメリカのパンナム機をイギリス上空で爆破したりしてきた。
 
 しかしながら、国内経済は制裁のため疲弊し、石油生産も必要な機材が入らなくなり、20世紀末にはさすがのカダフィーも、その考えを転換して、国際協調へ向かわざる負えなくなった。彼の次男は欧州で育ち、帰国後、親父の片腕として、経済復興改革への道を推進してきた。今では、核開発を廃棄し、リビアが起こした事件には謝罪と賠償をしてきたので、国連も米国もテロ指定を解除した。

 これに対して、米国が指定を解除しようとしている北朝鮮リビアとはだいぶ様子が異なる。1980年代にラングーン爆破事件、大韓航空機爆破などのテロ行為を未だに認めていないし、核開発放棄にしても、無力化するというだけで、設備の放棄や棄却とはほど遠い。それでもブッシュ大統領北朝鮮に歩み寄ろうとしている。政権末期になると成果を求めて、クリントン前大統領と同じ誤りを侵す懸念がある。
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