和食レストラン

和食レストラン
 ミシュランで3つ星をつけられた8つの店のうち、5店が和食レストランだった。いま、NYやパリでは和食レストランブームだそうである。NYの友人から届いたレポートによると、和食は和食でも、偽装和食店で、看板だけが和食店らしいが、なかに入ると脂ぎった野菜いためやラーメンもどきのものが出てくるそうである。経営者は中国人、韓国人、タイ人とアジア人には間違いないが、日本食を売り物とした方が儲かるようである。
 
 20年前と比べると正統派の和食レストランが廃れて、疑似和食店が増殖してきているようだ。昨年、農林水産省が正しい日本食ガイドラインを作り、海外の日本食レストランの格付けをする予定であったが、その押しつけがましさが批判されて、実現しなかった。

 とうとう、日本食のマック版が登場して、ファストフードチェーンとしてニューヨーカーに人気を博しているという。店名はまさにずばり「Go Sushi」で、巻物などは日本人にもまあ口にできるが、丼ものは食べられたものではないそうだ。

 先日、訪れたパリでは、東南アジア系の人種が経営する日本食レストランがやたらと目についた。とても入る気がしなかったので、それとなく外から窺うと、要するに、焼き鳥と冷凍物の寿司を売り物にしているようである。

 そして、いまや極め付きはモスクワの日本食だそうだ。6年前にモスクワを訪問した時には、全く存在しなかったと思うが、和食レストランがなんと市内に300件あるそうで、結構、高価なので日本人の駐在員でもあまり寄り付かないと聞いている。

 海外の大都市では、日本食が様々な形で暴走しているようで、これぞ日本の食文化がグローバル化したということで、誇りにしてもいいのではないかと思う。
http://iiaoki.jugem.jp/