憲法記念日

憲法記念日
 日本国憲法施行から61年目を迎えた。改正手続きを定めた国民投票法案が公布されて1年が経とうとしている。与党が強引に可決した法案の成立過程から、同法に基づく国会の憲法審査会が未だに始動していないことは、立法府の権威とか危機とかということではなく当然のことであろう。憲法改正に対する国民の意識は、その時の政治の流れで変化するのであまり当てには出来ないが、大新聞の世論調査によると非改正派の方が改正派を上回る結果が報道されている。
 
 1995年以降の調査では改正派の方が僅かであるが多数であったことからの微妙な変わり方である。与党が参議院で支配権を失ったことで、これまで国民の目からは見えなかった霞ヶ関での、政官癒着の支配構造がさらけ出されてきて、それに対して評価する国民が増加してきていると読むことができる。

 時の政権は思うように自己の政策ができないと、すぐに仕組みを変える方向に向かおうとする。たとえば、参議院の権限を弱めることで、ねじれ国会という事態を解消しようとする。現在のこの状況は国民が民主的な選挙で選択したもので、意思決定に時間や金がかかることを容認しているのであろう。

 時と金がかかることを厭うのなら、独裁国家を選択すればよい。いまそんな無駄なことは許されないといっても、民主主義はあちこちに寄り道をして、一見無益なのことが行われるのである。アメリカではNY州で、稼働寸前にまできた原子力発電所住民運動でストップしている例すらある。

 時代の変化は憲法九条ですら国際的な共感を呼んでいるのである。60年もの間、一度も改訂がなされなかったのはおかしいと思うか、60年もの長い間、この憲法のもとで戦争に負けてから世界第2の経済大国を築いてきた実績を評価すべきことなのか、よく考えてみたい。
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