年には勝てない
鉄の女も年には勝てない
サッチャー元首相の長女が元首相の記憶力が8年前から急速に衰え「同じことを何度も尋ねるようになった」と述べているという。鉄の女の異名で知られたサッチャーさんといえば、1979年から1990年まで英国首相を務めて、経済的には疲弊して英国病と言われていた経済の立て直しに努力し、政治的には米国のレーガン大統領とともに、冷戦終結のための布石を打った功労者であった。
元首相は「ウェブサイトのように過去のことを覚えている」こともあるが、2003年の夫の死去について「母の認知症はこのことを忘れるようにさせている」と述べ、「父が生きていないことを何度も分からせなければならないのでつらい」と娘が告白している。
昨年9月にロンドンの首相官邸でブラウン英首相と会談したことを最後に公衆の前に姿を現していない。このときに、労働党党首のブラウン首相はかつての政敵サッチャー氏を「信念の政治家だ」と讃えた。
米国のレーガン大統領もその晩年はアルツハイマー病で、記憶を失っていった。くしくも東西対立の冷戦終結に勝利した西側の両巨頭は、その晩年には同じように、認知症になっている。激しい国際交渉の場で脳の消耗が影響しているのかもしれない。最近、わが首相とか都知事も認知症の始まりではないかと取りざたされている。その兆候は様々な所に表れているようだ。
そいえば、脳は使わなければ駄目になるし、使いすぎてもダメージを与えることになるらしい。その昔、方丈記で鴨長明が述べているように、要は適度な運動と思考が好ましい高齢者のあり方であろうか。
*「方丈記」鴨長明著
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