オバマ氏の失速

絶対的な財政政策はない
 オバマ大統領の経済チームが金融対策を打ち出しても、なかなか実効が現れないで、ダウは12年ぶりに6000ドル台に落ち込んでしまった。最大100兆円の不良資産を吸収するバッドバンク構想や金融検査システムのストレステストなどを打ち出しても、結局は、できるだけ早く不良資産を銀行から排除しなければ、実体経済も金融システムも展望が開けないというみたいだ。




 大統領の財政政策は短期的なことではなく、長期的な投資ということで、新エネルギーや環境技術へ向けているが、これらは短期的な景気対策にはならない。短期的な効果を狙うと、利益団体の食い物にされたり、持続的な効果はなく非効率になったりしてしまう。この長期か短期かのかじ取りに悩んでいるように思われる。

 ケインズ的な古い考えでもなく、動的マクロ経済的な新しい考えでもなく、それぞれの関係者の心理を勘案した行動経済学の応用が試されているように思う。経済学は新しい事態に直面して、新たな発展を遂げて来ている。未曽有の金融危機に相応しい思想が待たれている気がする。


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