定額給付金の付け

給付金という欺瞞
 4か月もかかって、ようやく決まった給付金である。テレビでは支給金受取り第1号などと報道されているが、いま一度、この金の由来を考える時である。村長や町長が一軒一軒自分で回りながら、麗々しく封筒に入れた現金を配る姿が放映されている。まるで、現金で票を買い上げている姿とダブってしまう。明らかに、これは総務省が準備した作為的な報道である。




 まるでお上から特別に金が支給されて、その金を恭しく頂戴する構図となっているが、もともとは自分たちが納めた税金であることを忘れないことである。支給に係る事務費用まで含めると、総額2.2兆円は、やがて消費税のアップとなって、この数倍にもなって国民に降りかかってくることも自明である。何故ならば赤字国債の発行と簿記上は同じだからだ。

 審議中の平成21年度年度の予算は、税収約45兆円に対して、その倍の90兆円の予算となっている。財政赤字はやがて総額900兆円に達する。プライマリーバランスを2011年度にはゼロにするという公約の達成は全く不可能となっている。このつけはすべて後世へと引き継がれていく。

 生活給付金から景気対策に変わったから、首相もさもしい根性で矜持を忘れて頂戴するそうである。然しながら、景気対策に回る金はせいぜい5000億円であるから、焼け石に水程度の効果しかない。定額給付金は選挙目当ての政治家の票稼ぎという意味であり、後ですべての国民は消費税増額のつけを受け取ることになる。

米百俵はそのまま配分すれば、あっという間に消えてなくなるが、売り飛ばして学校を建てれば100倍あるいは1000倍になって戻ってくる。政治家が目先の自分たちのために集めた金をばらまくことを考えていたのでは、国家百年の計は成り立たない。


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