都議会議員選挙

選挙の季節

 東京都都議会議員選挙の投票日が明日に迫ってきた。単なる東京の地方選挙であるが、衆議院選挙が接近しているから、まるでその前哨戦みたいな様相で、与党も野党も幹部はすべて街頭に立っている。中でも中央区千代田区など1人区の7選挙区では、ここでの勝敗がすべてを決めるから激戦となっている。話題豊富で関心が高まると投票率が上がるから、与党不利となる予想である。前回44%だったが、60%近くにまで投票率が上がるであろう。


 地方選挙なのにまるで争点が政権交替のようであるが、投票の前に、東京都の争点を明確にしておきたい。三つの争点は新銀行東京築地市場移転、東京五輪である。まずは開業5年にして1000億円の赤字を抱えて経営破綻寸前の銀行である。昨年400億円もの追加投資をしたが、依然としてこの3月期でも税引き後利益は100億円を超す超赤字だ。銀行構想そのものが知事の2期目の選挙の目玉としたものだから、動機が不純であったことにすべて起因する。早く整理しないと、都民の無駄な負担はますます増える。


 築地市場が老朽化したから豊洲へ移転するというが、移転先の高濃度有害物質を含む土壌汚染には5000億円も投資したが、依然として解決の方向が見えない。築地の跡地利用に関する知事の動き、汚染情報の隠蔽など疑惑の根は尽きない。この際、ドブに捨てた金には目をつぶり、計画そのものを再検討するべき時に来ている。


 東京五輪についても、この計画を作った動機は、知事にまつわる様々な疑惑を隠す目的だったと内部告発されている。すでに誘致費用として300億円も投入しているが、開催が決まれば3兆円もの費用を要する計画である。知事の発言を聞いていると、国威発揚という古めかしい言葉が出てくる。いまさら日本はそのようなことに大金を投ずる必要はない。個人の生活を豊かにして、安心して暮らせる東京に金を使うべきである