地方分権

地方分権は市民主権のこと

 地方分権という言葉だけが独り歩きしている。江戸時代ではもとより、薩長が中心となって打ち立てた明治維新以来、日本の行政は中央集権であった。第二次大戦後も本来の意味での市民革命がなされずに、見せかけの民主主義で霞が関が音頭をとる市民不在の中央集権で政治がおこなわれてきた。国政選挙が行われて来たというが、その投票行動は大都市を除いては、民意が市民とはかけ離れていたことは実証されている。

 


 戦後の混乱期から素早く復興するためには、この社会主義的なシステムはかなり効率的に作動して、30年間ぐらいで世界第2の経済大国といわれるまでに成長した。この間、忘れ去られてきたことは、主権者である市民が権限を行使しやすいような仕組みである。地方分権とは財源や権限を国から地方に機械的に移すことではなく、主権者である市民がどれだけ具体的に政治に参画できるかである。


 これは中央集権とか地方分権とかは関係はない。この仕組みを変革するためには、中央官庁の必死の抵抗を振り切って、霞が関の徹底的な解体をしなければならない。国の出先機関の見直しや地方移譲ですら、官僚のサボや抵抗で進んでいないのが現状である。すべてゼロからスタートする気概を持たないと地方分権、すなわち市民主権は獲得できない。
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