最大の変化

自動車産業の激変
  2009年は20世紀の初めにフォードがベルトコンベヤー方式でセダンの大量生産を開始して以来、100年に一度の変革の時を自動車産業界は迎えた年だ。4月にはクライスラー、6月にはGMが相次いで経営破綻し、20世紀の自動車業界と米国の繁栄の象徴だったビッグスリー体制がもろくも崩壊した。

 

  輸出依存の日本の自動車産業金融危機の影響をもろにかぶり、最強で最優秀と謳われたトヨタまで大幅な赤字に転落して、この影響は日本国を根底から揺るがす事態となって、未だに明かりが見えてこない。この産業の基本を変えた要素は二つあり、一つは機械工学の粋を集めたガソリンエンジンに影が差したこと、もう一つは自動車の産業と需要の主体が先進国から中国やインドなどの新興国に向かって動き出したことである。


  そのシンボルが独フォルクスワーゲンと日本のスズキの資本と業務の提携が年末に成立したことである。これでこのグループの生産量はトヨタを抜いて世界のトップに立った。提携の狙いはずばり、エコカー開発と新興国である。これに続いて、三菱自動車プジョールノーダイムラーとの提携も進んでいる。


  新興国も含めて、これから数年の間に、自動車メーカーの世界的な再編が加速していくことは間違いない。エコカー化もハイブリッド車から、完全電池駆動のゼロエミッション車へと進むはずで、10年後には世界の10%はガス排出量ゼロ車となるであろう。ガソリン車から電池車になれば、部品点数が半数以下となるから、これから10年間にわたり自動車部品産業群の淘汰が進むこととなる。素材産業、部品産業にとって将来戦略の描き方が問われる時代だ。
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