謹賀新年2010年元旦

明けましておめでとうございます
   いつものことながら、年が変わると、まるですべてが明るくなってしまったような感じがする。実際には何も変化はないし、先に希望の灯が見えているわけでもない。毎年のことながら、新年にあたり所感を述べさせていただく。

  

  わずか150年前の1860年の日本は、1853年に米国のペリー提督によって開国をせまられた幕末の争乱期で、1858年に独断で日米通商条約を調印した井伊大老桜田門外で暗殺された年である。今年の大河ドラマのテーマである坂本竜馬は、日本国を何とか国際的に認められた国とするために奔走し始めた年でもある。


  このように1868年の明治維新前の日本は動乱期であったが、制度疲労を起こした封建制度を打ち破り、新しい時代を迎える予感を誰しも胸に抱いていた時代である。現代の日本も昨年64年間も戦後の日本を支配してきた自民党政権が崩壊して、新しい時代の幕開けを告げたはずである。しかしながら、これまでの支配体制で積み上げられた負の遺産という難問が内外に山積する状況で、新政権のかじ取りは容易ではない。


  幕末では開国か鎖国かの二者択一であったが、これからの資本主義にとっては、自由か規制かの境目の論議が課題となるであろう。共和党政権下での徹底した市場自由主義が崩壊して、金融に何らかの規制の枠をはめる論議が2009年4月のG20でも進められた。金融機関への規制強化や監視強化が議論されてきたが、未だに目に見えた結論はない。それでもオバマ大統領が進めていた規制という国民皆保険制度がようやく日の目を見ようとしている。


  米国では基本的に未だに自由市場が支配的であるのに対して、日本は小泉竹中体制で中途半端な規制撤廃を米国の後押しで進めた結果、格差社会を生んでしまい、民主党政権ではその反動が出ている。米国と違って規制社会の中に投げ込まれた自由化はうまく機能しなかった。しかしながら、このまま大きな政府子供手当など需要サイドばかりに目を向けるわけにはいかない。

日本は未だに様々な官僚規制社会だから、経済の発展の壁となる規制を外していくことをしない限り、環境ビジネスなどをはじめとして成長路線に乗せることは難しい。新年に当たり、業務仕分けに続いて、規制仕分けを提案したい。夢、希望、勇気、創造の4語を今年のキーワードとして提案しておきたい。
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