世論のねじれ

民意のねじれ

  ねじれは何も国会だけではなく、民意と言うのが如何に当てにならないねじれを含んだものであることも示している。例えば、読売の世論調査によれば、管内閣の支持率は発足当初65%であったが、参院選挙後38%という。それでは直ぐに退陣すべきかと思ったら、何と62%が続投すべきと言う。さらに、選挙に勝ったという自民党に政権を任せてもよいというのは僅か17%しかない。「支持はしないが続けろ」という矛盾した民意を示している。また、問題となった消費税についても、民主党の第一の敗因というが、何と65%の人がアップも致し方ないと回答している。

  

  この数値を見る限り、世論とか民意などと言うのが如何に一貫性に乏しいかがよく理解される。要するに、一般世論は政治や経済を心底から理解して考えてはいないようだ。「支持しないがやれ」では、首相がうつろな目をするのもよくわかる。このような無責任でレベルの低い民意というのは、大新聞やテレビが生み出しているのであろう。とにかく面白可笑しく騒ぎ立てて、販売部数と視聴率を上げることを目標として報道するからである。


  マスコミが世論を誘導して、そこで形成された民意と言う錦の御旗が政治を動かす事態はまともな民主主義国家とはいえない。小沢氏はありもしない献金騒動で潰されたし、鳩山氏は基地問題で失脚させられた。この度は、管氏は消費税で上げ足を取られてしまった。マスコミは何だかしたい放題で、世論を形成しているように思える。政治や経済のことは、何でも二者択一で決められるものではないことを、もっと我々は理解すべきであろう。

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