ぼくには夢がある」

検察の志に向かって

  政治とカネという話がまた出てきた。歯科医の診療報酬改定をめぐる日歯連贈賄事件というのは、日本歯科医師会が有利な改定案をしてもらうために、自民党献金を続けた事案で、医師会側では会長ほか何人かが逮捕されたが、政界側では関係していた橋本氏、野中氏、青木氏らは逮捕を免れた。これと対照的なのが西松建設事件である。公設秘書の逮捕から検察審査会まで総動員して執拗に政治家の起訴に迫ったが、1年以上も追及して特捜部は起訴に至っていない。しかし、この間に報道機関によって作られた汚いイメージは強烈で、民主党政権の根幹を揺るがすことには成功した。
  


  この背景には元幹事長の持論である自民党によって作られて来た官僚内閣制打倒に対する法務と検察による官僚組織防衛のための執拗な追及が見え隠れしている。小沢氏のウエブサイトに掲載されている政権政策綱領によると、行政と政治改革の項目には、官僚に対する政策がつぶさに記されている。「国家公務員の天下りは全面的に禁止する」とか「独立行政法人特殊法人特別会計は廃止あるいは民営化」とある。官僚が食い物にしている法人は4500あり、そこには25000人もがムダ飯を食んでいるし、その予算が年間12兆円にもあがる。

  自民党政権で育まれて来た霞が関の税金食いの腐敗構造にばっさりとメスが入ることになる。制度改革の基本は公務員に労働基本権を認めると言うが、従来、労働基本権を与えない代償として人事院が作られた。政府から独立した立場として公務員の待遇について勧告を出し、それを受けた政府が勤務条件を決める仕組みだったが、これが廃止されることになる。

  政府から独立などと言うが、これは建前のことで、人事院の幹部ポストは天下り官僚の指定席で、何もせずに高給を食んでいたことは知られている。700人いる人事院の職員には一人年間平均1200万円も税金が使われている。かくして天下り法人と人事院が廃止されれば、15兆円にもなる巨額の無駄遣いがなくなるわけだ。小沢氏のウエブサイトには、キング牧師と同じ「ぼくには夢がある」と出ているが、国民も夢を共有できるようにしてもらいたい。

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