自作電子図書

電子書籍を自炊する

   米アマゾンはダウンロード販売している電子書籍の過去3カ月間の販売数が、初めてハードカバーの単行本の通信販売を上回ったと発表した。同社の電子書籍端末「キンドル」のほか、米アップルの「アイパッド」の参入などによる電子書籍元年の活況ぶりが示された。現在、電子書籍化されている単行本は米国では70万冊に対して、日本では5万冊ということで、日本での事情はかなり異なる。

出版社、大手販売元、書店などが書籍ビジネスを雁字搦めにしている日本の業界では、米国のようには電子書籍コンテンツは増えない。そこで、電子書籍に関連した新ビジネスが登場している。本を丸ごと1冊電子化してくれる商売で、自炊と呼ばれている。本を送ると、ばらしてスキャンして数百円程度で電子化してくれるようだ。500ページの小説でも20分で電子書籍となる。個人利用ならいいが、著作権のことなど微妙な問題があると思う。

  個人で自炊する場合、活字を電子化することなら、スキャンナーに5000円も投資すればできる。しかし、200ページもの本をスキャンするには、1台5万円程度の高速スキャンナーが必要となる。書籍をばらすのも、ハサミやカッターでは時間がかかるので、1台3万円程度の裁断機がいる。愛書家にとっては、購入した本を切り刻み、ごみとするにはかなりの覚悟が要るみたいだ。


    なお、読み取りに関する技術は進歩するから、いずれは、読み取り機に向けて、ページをぱらぱらと捲るだけで電子化できることになるであろう。そうすれば、本を解体する必要はなくなる。

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