厚黒の術

厚黒学
  日本には厚顔無恥と言う言葉があるが、それに近いものが厚黒というようだ。毛沢東もこれを学び実践した。面の皮が厚くて腹黒いことを信条として政治を行うことをいう。荀子性悪説は「人の性は悪なり、その善なるものは偽なり」という主旨だから、この思想からの流れであろう。厚黒であれば成功し、不厚黒では失敗する。
  


  厚黒学は清朝末に生まれ、太平洋戦争末に死亡した学者、李宗吾(1879〜1944)が創作したものという。「面の皮は城壁より厚く、腹は石炭よりも黒く生きよ」と言う思想が儒教道徳の裏に隠されていた中国4000年の成功哲学だった。三国志の登場人物などから、実例が紹介されている。

   魏の曹操は「人を裏切っても、裏切られることはない」と豪語して、周りの人や妻子まで殺して平然としていた。蜀の劉備は有力者に頼りながら、成功したら自分の手柄とし、困ったときには泣きついてでも、物事を有利に進める才能があった。その他、越の勾践は呉王夫差に敗れたら、すべて投げ出して許しを乞うたが、逆になった時には絶対に許さなかった。

  中国とは国交回復後、ODAで総額3兆円もの援助そしてきたが、そのことは当然と思っていることだろう。厚黒の隣の国との関係を良好に保つには相当の覚悟が必要だ。

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