裁判員制度の不備

裁判員制度の無理が露呈

  裁判員制度はプロがアマチュアを巻き込んで、プロがその責任を回避する狙いであるとの批判通りに、問題が前面に出てきた。東京地裁で判決があった耳かき店員刺殺事件では、死刑が回避されて無期懲役になった。次に裁判日程が40日間にもなる鹿児島地裁の高齢夫婦殺害事件では、450人もの裁判員候補を用意したがその9割が辞退し、選任手続きには30人が出席しただけという。


死刑に相当する裁判では、裁判員は「縁もゆかりもない、何の恨みもない人間に対し、絞首刑の踏み台を外すスイッチを押す。被害者の死と被告の死の狭間に入って感情が揺れる。無期にしたからといって、遺族の方はどう考えるかという思いにずっとかられる」ことになる。


被告が無罪を主張していて、長期裁判が必至の上記の裁判では、8週間も平日を奪われることに対する勤務先との関係がまず問題となる。勤め先の了解が得られたとしても、裁判に関係して、事実関係を具に頭に入れて、プロの裁判官でも悩む量刑に対して、アマチュアが判断を下すことは無理なのだ。

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