世代間格差の増大

世代会計=負担額ー受益額
 1992年に米国の経済学者が提案したこの世代会計とは、人の一生で負担金額から受益金額を引き算した値である。受益額は年金や社会保障など政府から受け取る額、負担金は税金や保険料など政府に払い込む額である。算出方法は兎も角として、秋田大学の島澤先生のデータによると、この値がマイナスになる世代は現在55歳以上となる。つまり、それ以下の世代では、負担金の方が大きいことになる。

*2009年8月20日の再録

 最も得をする世代は65歳で、負担金が1600万円に対して、受益額は3000万円であるから、1400万円も得をすることになる。最も損をする世代は20歳で、負担金が4700万円に対して、受益額は2100万円であるから、2600万円も損をすることになる。端的にいえば、これが60年間にわたる自民党政府の行ってきた政策の結果である。

 公的年金制度や医療制度等において、若い世代がより重く負担していく制度そのものは各国とも同じであるが、日本はこの格差が先進国の中でも突出していることが示されている。


 ところで、前回の総選挙の投票率をみると、65歳では83%であるが、若くなるにつれて投票率は下がり、20歳では40%となっている。35歳でも60%であるが、とにかく若い世代は、投票もしないで、負担だけ押し付けられているのである。

*島澤諭&山下努著「孫は祖父より1億円損をする 世代会計が示す格差・日本」朝日新書171 朝日新聞出版 (2009年4月) 777円

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