日本の方向(2)

よい面を如何に発展させるか
  経済大国の地位を奪い返すことではなく、政治的な混乱はあるにしても社会全体の安定性は中国よりも、はるかに進んでいる日本には、まだまだ様々な手は残されている。共産党独裁支配の中国での最大の問題は、ノーベル平和賞に見られように人権抑圧であり、やがては、これが元で社会の安定性が損なわれるであろう。イスラム政権の独裁は不変とも思われていたが、最近のチュニジアでの政府転覆は独裁が永遠ではないことを示している。これは歴史の法則でもある。
 

  経済的な格差は広まってきたが、それでも米国や中国と比べればまだまだ程度は低い。現在、中国での年率10%の高度成長経済は日本ではすでに経験済みのことだ。やがては経済成長が鈍り、中国にも深刻な低成長の時代が来るであろう。さらに、中国が進めてきた一人っ子政策は、現在日本が直面している少子高齢化の問題を引き起こすことは必然だ。

   バブル崩壊後、低迷を続けているように見える日本であるが、失業率はせいぜい5%前後であり、国民皆保険を継続しているし、所得格差は広がっているが他の先進国と比べると低水準であるし、世界でも最大級の輸出国でもある。技術力でも、半導体、薄型テレビ、デジタルカメラ、HVやEVなどの自動車技術でも先端的である。韓国や台湾の追い上げが激しいが、最終製品のシェアは譲っても、これらの製品を作る周辺技術では日本の技術なしでは成り立たない。

   その上、平均寿命は男女とも世界最高水準で、乳幼児死亡率は極端に低く、基本的計算力や識字率も世界のトップクラス、犯罪率や殺人率は低く、薬物乱用者の数も少ない。さらに、環境技術でも最先端であり、都会でも空気はきれいで、炭素排出量も少なく、地球温暖化抑止にも一役買っている。日本ように水道水をそのまま飲める国も少ない。これらの側面では、二大国の米国や中国の現状を遥かに引き離している(続く)。
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