野球シーズン

イチロー選手はいつヒットを打てるか
   今年も野球シーズンが到来した。これまでに結果を出してきた選手が今年も結果を出すとは限らないし、騒がれている新人が活躍するとも言えない。「今日はこれまでの3打席は凡打だったから、次の打席でヒットが出る確率は高いですね」と解説者がよく言うが、これはどの程度に正しいことなのだろうか。イチローの平均打率は3割をはるかに超えているから、解説者がそう言うのも無理はない。野球には様々な変化があるが、次の三つのケースについて考えてみる。


  各打席とも3割の確率でヒットが出るのなら、これまで3打席無安打だとしても、それとは全く無関係に、4打席目にヒットの出る確率は3割である。つまり、先の解説者の確率が高いですねと言う言動は正しくはない。見えない袋の中に白玉7個と黒玉3個を入れて良くかきまぜてから、1つの玉を取り出して黒玉が出ればヒットとする。取り出した玉は袋に戻して、また取り出して色を調べることを繰り返す。続けて白玉が3回出ようが、黒玉が3回出ようが、4回目の結果は前とは全く無関係だ。



  次に、イチローにヒットが出ていないのは、風邪で体調を崩していてどうも集中できないとか、あるいは、投手の出来が良くて他の打者も抑えられているとしたら、4打席目もヒットは出にくいかもしれない。



  次のケースは、投手がそろそろ100球近くになり、疲れが出てきて、コントロールや急速に乱れが出て来ているとすれば、ヒットが出るかもしれない。または、イチロー自身がこれまでに凡打したことを修正して、打ち方を変えたのでヒットが出る可能性もある。



  宝くじ、コインの裏表、サイコロの目などとは違って、人間の体力や精神が関係する行動の結果を確率的に考えることには無理がある。解説者は2番目や3番目の状況などについて判断して、ヒットの可能性を考慮することもできる。しかし、殆どの場合は、最初のように、考えておくのが、8割がた正しいと思う。従って、解説者の言動は正しいとは言えない。
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