中近東への足場が崩れた

エジプトと北朝鮮の深い闇
   エジプトとイスラエルシナイ半島を挟んで、1960年代から何回か戦端を開き、1973年の第4次中東戦争まで継続した。この紛争の背後には、旧ソ連がエジプト、米国がイスラエルに控え、いわば、米露代理戦争みたいなものだった。従って、それぞれの武器にはエジプトはソ連製、イスラエルは米国製が使われた。エジプトに配備されていたミグ戦闘機のパイロット不足を聞き付けた北朝鮮は、同じ戦闘機を保有する関係から、パイロットを10数名派遣してエジプトを支援した。この時のエジプト軍の空軍司令官がムバラク氏だった。
   

   この北朝鮮の恩義に報いるために、求めに応じて、射程300キロのソ連スカッドミサイルを2機、エジプトは提供した。これを基にして北朝鮮のミサイル技術は発展して、ノドン、テポドントと射程距離を延ばして、現在は5000キロまで開発を進めてきた。このミサイルは外貨獲得のために、パキスタンやイランにも輸出されている。現在は米軍の監視体制ができているために、公然とはできないが、部品に分けて中近東へ輸出されている事は、ヒスボラの武器から証明されている。エジプトの後継内閣がどのような事になるか分からないが、場合によっては、北朝鮮は中近東への足場を失うこととなる。

   最近では、エジプトのテレコム会社が北朝鮮に携帯電話設備を導入した。加入者は既に50万人規模に達しているものと推定されている。北朝鮮がどうして危険な携帯電話を導入したのか不明であるが、後継者の息子が熱心に進めたと思われる。携帯が反体制運動の道具にならないように、十分な対策が取られていることは言うまでもない。従って、中近東での反体制運動が飛び火する可能性は薄いが、ゼロと言うわけではない。
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