私設原発事故調査報告書

原発事故はなぜ起きたか
   福島第一原発事故の原因究明のための政府の「事故調査・検証委員会」が発足している。委員会は失敗に学んで過ちを繰り返さない「失敗学」の提唱者、畑村洋太郎東大名誉教授を委員長に、地震放射線の専門家、地元の代表者ら10人で構成されている。現地調査などを進めて年内には中間報告する予定という。実際の報告書作成は内閣府のお役人が作成する作文だから、余り期待してはいけない。

   大袈裟な調査委員会に先立ち、私設の調査委員会を発足させ、事故の原因究明などを検討してきたので、先ずは概要を簡単に報告しておきたい。私設委員会と言っても、委員に払うカネなどないから、まあ、独り言みたいだが、内容については、恐らく半年後に出てくる報告書とは大差はないと思う。

第1原因は東電の隠蔽体質にある。
第2原因は他を寄せ付けない原子力部落にある。
第3原因は原発に対する安全神話にある。
第4原因は学習能力不足にある。
第5原因は電源喪失後に炉を守ろうとする技術者の本能にある。
第6原因は原子力安全に対する国の覚悟不足にある。

  直接的な原因は原子力発電を採用した事にある。また東電では想定していなかった規模の地震津波による事は言うまでもない。想定外という言葉で、すべて免責になるはずがない。どうして想定できなかったかの原因を究明しない限り、この問題の本質に迫ることはできない。想定外という考え方を生む背景に、上述の6つの要因があるはずだ。これらについて、逐次、まとめていく方針である。