会期末を迎える国会

やはり行き詰まる

  6月11日の土曜日に退陣表明したはずの首相は防潮堤が決壊して壊滅的被害を受けた釜石市を訪問した。「本当に必要な予算が分かった。できるだけ早く手当てしたい」と言う首相の答えに、インフラ復興や漁港再生を願う関係者は一様に唖然とした。被災民は「今さら、何を寝ぼけた事を云う」と怒りの声だったであろう。3か月が過ぎても、復旧のめどすら立たず、3000億円近い義援金はまだその10%程度しか配布されていない。これこそ口だけで何もしない首相の人災と言うべきであろう。

  

  しびれを切らして、自分たちで失った工場や住居を建設しようと思っても、自治体から止められる。個人の復興意欲に水まで差している。それでいて国会では「一定のめどがつくまで責任を果たしたい」と言う。僅か4兆円の1次補正を決めただけだ。これに次いで1.5次補正などと、小刻みに予算を作成したいという。これではまるで、「一定のめど」を遅らせるために、わざと何もしないのだと言っているように聞こえる。


  このままズルズルと退陣を引き延ばすと、補正予算どころか来年度予算に不可欠な公債特例法案まで参議院で葬られてしまう。来週の参議院で首相問責決議案が可決されるからだ。それでなくても、仲間だった参議院議長からまで「あんた、辞めなさい」とまで言われているからだ。会期は22日で終了するが、大幅に延長されても、法案は何も通らないでムダに時間が過ぎていく。被災地や避難民が救われる日が遠のく。