数学はお好き

中高年の数学ブーム
   数学では、どのような問題でも答えが一意的に決まるとは限らないが、入学試験などでは、答えは殆ど1つになる問題が多い。世の中の問題は複雑になり、考える迷路にはまりこむ事に倦んだ中高年の人たちが、答えが明確に得られる数学の問題に取り組む事で、日ごろの疲れの癒しを求めるとも言われる。本屋には「中学数学」、「高校数学」、「数学ガール」と言った参考書が並んでいる。さらに、高等数学の世界へ誘う「オイラーの贈物」、「ガロア群論」といったやや高度なもの売れているという。

   先日、NHKの番組でも数学ブームが取り上げられていた。カルチャーセンターや個人塾など社会人向けの数学講座も繁盛しているみたいだ。中学や高校でこの科目で挫折体験をした人も多いが、静かな数学ブームが続いている背景には、混迷する不安定な社会では、仕事では味わえない確かなものに接したいという願いと、想定外の事態でも何とか道を見つけたいという願いもあるようだ。


   番組では、ピタゴラスの定理オイラーの公式などの証明などに取り組むサラリーマンの姿が紹介されていた。数学の得意な人には、今さら何を好んでとも思われるが、自分で数式を辿れば、いつかは正解に辿りつけるから、まさに山登りとよく似ている。山の頂には不思議な光景を目にすることもできる。確かに、円周率、自然対数の底として知られているネイピア数虚数の関係を結びつけるオイラーの公式は見ているだけでも不思議な感じがするものだ。



   山の頂上がある事が分かっていれば、上り方はいろいろと見つけることはそれほど難しくはない。未解決の数学の問題は頂上が果たして存在するのかしないのか不明なもので、ある事を証明する、どのようなものがあるかを見つける、あるいはない事を証明する事が求められる。この領域になると、一般社会に存在している未解決の諸問題と同じようなレベルに到る。子どもの教育の手助けもできるし、知的な時間つぶしには数学は最適な道具であろう。

整数論の入試問題解説(1)

整数論の入試問題解説(2)

*文章題の算数シリーズ(執筆中)