不完全内閣の運命

不完全内閣
   たった4日間の臨時国会が開幕した。発足したばかりの野田内閣であるが、防衛大臣「安全保障に関しては素人だ」、厚生労働大臣「たばこ値上げをしたい」、国対委員長「内閣が不完全な状態では十分な国会答弁ができない」、経済産業大臣「死の町」「放射能が付いている」などと不用意発言の数々が飛び出した。すべては野ダメ泥鰌を軽く見ているからだ。鉢呂氏は早くも辞表を提出した。適材適所で内閣を構成したと首相はいうが、これで不適材不適所と言われかねない。


   その後釜に選んだのが、前内閣の番頭さんだ。官房長官は首相が国外に出るときには首相代行を務めるのだから、内閣のNO2である。前首相を支える最も重要な仕事を慕ったはずだ。ところが前首相を、いわば憤死させた張本人がまたのこのこと内閣に入ってくる事に納得のいく人は少ないであろう。また当人はたとえ大臣の話が来ても遠慮するのが建前だ。

     民主党議員がもううろたえ始めている。野田首相を代表に選んだ理由はただひとつ、スキャンダルまみれの前原政調会長と違って、野田ならば「国会答弁はソツないし、解散・総選挙に追い込まれることはない」とみたからだ。ところが、鉢呂経産相が辞任に追い込まれ、自民党はイケイケドンドンで、第三次復興予算を成立させる強力はするが、その後は解散すべきだだと言う。急に吹き出した解散風に民主党議員は真っ青だ。この調子だと、早ければ年内解散・年明け選挙かもしれない。もちろん、民主党はそのとき、完全消滅する運命だ。