基地問題

普天間基地移転
   辺野古移設に向けた政府の環境影響評価の評価書に対する知事意見が防衛省に提出された。飛行場建設について「評価書の環境保全措置では生活環境や自然環境の保全を図ることは不可能」と断じて、絶滅危惧種ジュゴンの生態への影響など175件の「不適切な事項」を挙げている。日本政府はまだあきらめないようだが、これで実質的に辺野古移転は不可能となった。


   日本の米軍基地の7割は沖縄にあり、その基地の8割は海兵隊だ。陸海空軍と違って海兵隊は攻撃部隊だから首相の言う抑止力とはなりえない。5年間に防衛大臣が9名と言う日本の政治を米国は信頼していない。防衛官僚だけを見ているようだ。米国は日本がそういうから普天間辺野古と言っているだけだ。辺野古に拘っているのは防衛官僚たちだ。どうやらそこには大きな利権がからんでいると想像できる。基地建設に伴う環境影響調査は企業が行う。防衛省は過去5年間で35件の調査を10社に発注している。これらの業者には防衛省から多くの人が天下りしている。天下り業者の受注額は総額86億円で94%に達し、しかもその落札率は90%という出鱈目ぶりだ。調査の項目と金額の妥当性については専門家でないと評価できないが、恐らく、あまり重要でもない項目なども多く含まれていることだろう。


   沖縄の問題はすべて1972年(昭和47年)5月15日に、沖縄(琉球諸島及び大東諸島)の施政権がアメリカから日本に返還されたことに発している。この時に、祖国復帰の見返りに、本来米国が支払うべき土地の復元費用なども含めて様々な密約が交わされていた。これについて、岡田副総理が「歴代の首相、外相が少なくとも90年あたりまで外務省から密約の報告を受けながら、国会の場でも否定してきたことは許し難い。我々は議会人として深刻に反省すべきだ。開き直りは許されない」と国会で答弁している。今さらそのようなことをいっても問題の解決にならない。現内閣の能力では解決は無理だ。