災害は予知できない

竜巻注意情報
GWの最終日につくば市を襲った竜巻被害に驚いた気象庁は、同じような気象条件になった5月10日に、はやばやと竜巻注意情報を出した、NHKもこれに乗り重大ニュースとして速報したが、どこにも竜巻は発生せず的中率0となった。重大ニュースの速報で使われるチャイムを鳴らし、「○○県に竜巻注意情報 竜巻など突風に注意」とテロップを流し、「急な風の変化や雷・雹など兆しある場合は頑丈な建物の中に」というメッセージまで加えた。気象庁大津波警報などの「警報」を発令すると、NHKは直ちに警報を放送することが気象業務法で定められているが、竜巻注意情報の速報は義務づけられていない。
   

  同じような警報システムとして「Jアラート」がある。2007年2月から運用されているが、4月13日の北朝鮮のミサイル発射では、全く反応せず予定コースだった沖縄県では音沙汰なしで役立たずに終わった。このシステムは110億円を投じて運用している。通信衛星を使って、災害などの情報を捉えて、各自治体に流すシステムだ。開始してから「福井県にミサイル着弾」とか、「愛知県庁が攻撃対象」などと誤報が多く、さらにシステム障害もあり緊急時には役に立たない無用の長物だ。311では津波情報をキャッチしていたが、肝心の災害地域は殆どが、このシステムの未整備地域で情報がなかった。


   災害情報などに詳しい専門家は「竜巻の予測は突発的なゲリラ豪雨よりも局所的で難しい」と指摘している。地震予知も同じで、政府の地震予知専門委員会の委員長である東大名誉教授の阿部勝征氏は「地震はいつどこで起きても不思議でない」とまるで素人まるだしのコメントしかできないのだ。巨額の国家予算を使って地震などの研究をしている学者たちは、論文執筆だけに精を出すのではなくて、もっと実用的な結果を出すことに専心すべきだろう。