香港の活動家(2)

香港の活動家(2)
活動家の正体
   香港は英国から1997年7月に返還されてから、正式な名称は中華人民共和國香港特別行政區となった。昨日も書いた通り、中国との出入り、マカオとの出入りもすべてパスポートチェックがあるし、通貨まで違うから中国とは異なる国に来た気がする。今回の事件の当初から、北京政府は見て見ぬふりをしていた。ただ、検挙された時だけ早期釈放を呼び掛けただけだ。北京では活動家の正体が分かっていたから、どうぞご自由にという態度だった。共同で活動する台湾の船は台湾政府が許可しなかったし、香港の船の寄港も許さなかった。要するに巻き添えは御免と言う態度だった。
   

   香港の活動家の船が日本では中国全体のバックを受けて尖閣に来たように報道されているが、これは誤りだ。活動家の集団が発足してから10年位になる。小泉政権時代に反日デモが吹き荒れたが、あれ以来、香港の親中実業家からの寄付が増えて、団体の人数も40名位はいるみたいだ。中には、反共分子まで含まれているから、なんだか得体のしれない怪しげな団体というのが北京政府の印象みたいだ。

   そこで、今回の行動も彼らにしてみれば、とにかく、世界のメディアに取り上げられて、彼らの活動が世の中に認知され、それによってさらに寄付金が増えればいいと言うのが、本当の目的みたいだ。この組織は捕鯨反対のグリーンピースと同じで、何か派手な事をしないと金が集まらないという集団みたいだ。北京政府が釈放要求だけはしたが前回のように加熱しなかった理由がわかる。また、香港は中国ではなくて、英国統治で法治思想が根付いているので過激はあまり受容されない。

   船が帰港した時に多くの人が出迎えたと言うが、大半が中国本土からの観光客で、香港の若者たちの関心は薄い。さらに今回参加した活動家の中には反共運動の闘志もおり、中国本土には入国できない人たちもいる。北京政府としては、これで彼らの矛先が北京ではなくて日本に向かう事は好都合と思うだけだ。