アベノミックス

安倍のミックス
1.安倍のミックスのブレーンはエール大学教授の浜田宏一で、リフレ派と言われる経済学者だ。実業経験のない学者が振り回す空理空論だ。本来、インフレ目標というのは物価上昇の上限を定めたもので、安定している物価をわざわざインフレにする目標は経済原則に反しているから、海外では笑いの種にされている。それでも安倍首相が拘るのは7月の参議院選挙で敗北すると退陣を迫られるからだ。土建業から公共事業で票を買う事が主な狙いだ。

2.財務大臣麻生は政府はいくら借金をしても大丈夫という無策さだ。来年度は大型予算を組むつもりだ。日銀の国債保有高は100兆円を超えたが超低金利なので何も起らない。日銀が更に国債を買うと市場では財政赤字を埋めていると思われて、国債が売られて長期国債金利が上昇して、インフレスパイラルになる可能性がある。選挙前0.7%を切っていた長期国債金利は、昨日には0.8%まで上昇した。このような急な上昇は危険なことだ。

3.インフレが2%になったら日銀が政策金利を上げればいいというが、スパイラルに入ると金利上昇で銀行が含み損を抱え損失が拡大する。過去の事例から、インフレスパイラルに入ると止めることは難しい。かくして日本国債の暴落が起こり、日本は沈没する。千兆円という時限爆弾を破裂させてはダメだ。

4.政治家は中央銀行に圧力を掛けたいという欲望が常にあるが、中央銀行の独立性というのは日本国通貨の信認を守るためにある。白川が物価水準2%について「要請を踏まえて検討することにした」と述べたが、言語道断のことだ。「私は通貨の番人だ。例え首相になるかもしれないが、あなたのいうことを聞き入れるわけにはいかない」と突っぱねるべきだった。日銀は政府の貯金箱ではない。IMFからもいずれコメントが出るだろう。