大学講座制の崩壊

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大学の講座制の崩壊
 この4月から、国公私立大学の先生に、准教授(じゅんきょうじゅ)と助教(じょきょう)という新ポストが誕生する。これは改正学校教育法により教員組織の変更が施行されるからである。国立大学では、明治以来、教員組織としては講座制がとられていて、教授、助教授、講師、助手という身分制度が明確であった。この中で教授の権威が絶対的なもので、教授の意に反した研究は許されないし、また、教授は人事権を握り、自分の弟子たちを育てて、他の大学へ移動させてはその所属する学会での勢力を拡張していった。
 
 新しい私立大学では、この講座制をとるところは少なく、教授も助教授も単なる年齢上の身分として独立した存在のところが殆んどである。だから、この制度改革は古くからあった国立大学の講座制の解体を目的とするもので、助教授や助手を教授から独立させて、その能力に応じて自由に研究や教育が出来るように役割を明確に位置づけるものである。

 これにより、これまでの助教授は「准教授」となり、助手は研究者として准教授や教授へと道の開かれている「助教」と、研究補助や事務を担う「助手」に分けられる。これまでの助教授や助手は教授の下請けから解放されることになるが、「白い巨塔」にもあるように医学部などでは直ぐにこうなるとはとても思えない。米国の大学には講座制はもとより存在していないので、教授、准教授、助教授というそれぞれ独立した身分制度のところが多い。
*教授、准教授、助教授:Professor, Associate Professor, Assistant Professor