特待生制度

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特待生制度
 現在、ほとんどの大学では成績優秀者には学費の割引や免除制度を設けて、学生の勉学意欲の向上に努めているであろう。中には入学時から特定の学生には学費についての特権を与えることで、入学勧誘の手段にしているケースもある。
 スポーツの関係でも、野球、陸上、水泳、サッカー、ラグビーなどを問わず、大学の名前を挙げるために、何らかの金品などをちらつかせて、有望な高校生をスカウトしてくることは誰でも知っている日本人の常識であろう。そしていきつく先は、プロ野球やJリーグをはじめとする職業スポーツへの道となっている。高校生から有名であって、現在、大リーグで活躍している選手たちも当然にこの恩恵に浴していたと思う。

 高校野球

 スポーツ関係のこの一連の高校、大学、プロ集団への連鎖は金品の授受を伴うスカウト合戦で合意が形成されている社会である。この鎖にハンマーを投じたのが、今回の日本高校野球連盟の2005年に出した通達で、学費免除などの特待生制度を禁ずるルールの厳格な適用である。過去に遡って奨学生制度を適用した野球部の実態を連休明けまでに申告させると言う。

 今年は甲子園球場が改修に入り、夏の甲子園が使えなくなる事態が予想されているが、このルールが厳密に適用されると、甲子園の常連であった全国の有名校は戦う前に姿を消してしまうことであろう。

 この高野連の投じた一球は、野球に留まらず、日本のスポーツ界全体にまで及ぶとすれば、これまでの選手育成でもオリンピックでメダル獲得から遠くなってきている日本のスポーツ界には大きなダメージを与えることになる。

 結論は、高校野球連盟はこれまでは見て見ぬふりをしてきたが、ルール厳守を打ち出したのであるから、これを厳格に適用して、過去に特待生制度を採用している高校を期限付きで甲子園から締め出すべきである。その他のスポーツ界では、それぞれに常識の範囲内で日本的な方法で対処すべきと思う。

 最後に、それにしても今朝の6チャンネルで、司会の某氏が「自分は陸上競技でこの種の恩恵に浴してきたが、今はこうしてテレビで司会をする立派な身分となっている。」と述べて、何が悪いのであろうと言わんばかりのコメントをしていたが、耳障りな発言であった。