1億円ヤミ献金事件

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1億円ヤミ献金事件の判決
 歯科医師会から自民党橋本派への1億円献金事件で、政治資金規正法の不記載の罪で起訴された村岡兼造氏は東京地裁では無罪、東京高裁では有罪判決が出た。1審と2審との間で何も新しい証拠が出ていないのであるから、担当した裁判官の心証でこの差が出たことになる。


 この事件は1億円の小切手を献金として渡された橋本氏、そのとき同席していた野中広務氏、青木幹雄氏は不起訴とされて、派閥の会長代理だった村岡氏だけが起訴されたという不思議な構図であった。起訴した検察はこれに対して何も説明していないから、謎は深まるばかりである。2年後に始まる裁判員制度では、素人の国民の素朴な疑問に答えられないようでは、このような捜査は通用しなくなるであろう。

 こんどの2審判決でも、「形式的にも実質的にも橋本派への献金だったことは明らか」としているが、裁判では検察が起訴したことだけを審理するという態度である。判決にも他の議員の刑事責任について「起訴する処理も考えられるが、検察の裁量の問題であり、他の議員を起訴しなかったといって被告の有罪が妨げられる訳ではない」という。検察さえ起訴すれば、橋本氏、野中氏、青木氏も村岡氏と同罪だと判決していることに等しい。

 司法、行政、立法の三権分立の仕組みの中で、現在の憲法では、すべての裁判官の任命権は内閣が持っているので、時の権力に阿る(おもねる)判決が出てくることは、これまでもしばしば指摘されてきていることである。
憲法79条&80条