外された拉致問題

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拉致問題 梯子を外される
 先日、首相はわざわざ専用機でワシントンまで出かけて「北朝鮮のテロ支援国を外さないでほしい」と懇願したのではなかったか。ブッシュ大統領横田夫妻に会ったりして、拉致への強い関心を示していたが、これはあくまで外交辞令ということだった。ライス国務長官は「米国民が直接、拉致の被害にあったわけではない。拉致問題テロ支援国家指定解除の前提条件にはならない」と冷然と言い放った。それでも日本政府は7月の参議院選挙が終わるまでは、この事実を認めないであろう。「拉致の安倍」で選挙民を誤魔化しと通すことになる。

U.S. Secreatry of State



 米国から見れば、北朝鮮の核弾頭が自国に向けられている方を重要視することは、米国の国益や安全保障から当然である。このまま北がアメリカに約束した核施設凍結が進めば、この秋にはテロ支援国家指定が外されて米朝平和協定が締結されてしまう。マカオの資金凍結も、中国の銀行が動かないので、米国の銀行を通して北へ資金が流されるという操作まで米国は協力している。

 さらに、ならず者同士の北朝鮮とイランは「政治、経済および文化分野において、関係強化に関心がある」との合意に達している。これに伴い、米国はイラク問題収拾のために、イランとも密かに接触を始めている。国際政治の力学を解くのは難しいが、自らこの力学を生み出していく努力をしない限り、梯子を外される程度ではなく、日本は国際構図の圏外に弾き飛ばされてしまう。