風邪薬で中毒死

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風邪薬で中毒症状
 今月になってから、NYタイムズで大々的に報道されたことで、漸く中国政府も「該当企業は医薬品の製造会社ではなく、化学製品の製造会社だ」として、「中国では医薬品などの製造は厳格に管理されている」とのコメントを出した。中国でジエチレングリコール(DEG)をグリセリンと偽って輸出したものが、パナマでシロップの風邪薬に使用されて、死亡者が350人を超すという事件である。

Panama Canal

 DEGは毒性があり、甘みととろみがあるのが特徴だ。日本でも輸入された貴腐ワインに混入されて回収される事件があった。エンジンオイルや不凍液にも混ぜられている。パナマ当局が風邪薬の材料を調達する際、シロップのビンに記されていたのは、せき止め薬や解熱剤によく使用されるグリセリンだった。しかし、グリセリンは価格が高いため、一部の悪徳業者らが、価格が半分程度の産業用DEGを出荷したことが事件の発端と思われる。

 この毒物は世界各地で発生した多くの毒物・劇物集団死亡事件の原因として疑われているものである。このDEGを偽造薬として製造したのは、上海近郊にある化学薬品工場だったことも分かった。NYタイムズでは、中国製商品が世界市場で占める比重に比べ安全に関する規制の遅れ、国家間の通関および検疫手続きによる偽造薬品の摘発という二つの問題を指摘している。