最高権力者の品格

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最高権力者の品格
 参議院選挙を前にして、映像になることなら何でもしたい。官邸はパフォーマンスを連発する作戦に余念がない。映像の露出に異常とも思える執着ぶりには、美しいを連発する御本人の品性や品格まで疑いたくなる。最高権力者であるから、官邸に呼ばれたら拒否する人はいないであろう。男子プロゴルフでたまたま優勝した高校1年生のアマチュアゴルファーを試験中にもかかわらず呼び出してゴルフ談議をしていた。自分はゴルフでは本番には強いと言って、何やらかけゴルフをしていることを連想する発言までしている。

 また、その前にはテレ朝の女性アナを官邸に呼びだして参議院選挙への出馬を要請している。このアナはそれまでは、田原総一郎氏の尻馬に乗って与党政府を批判していたはずであるが、何を勘違いしたのか、権力者の一言で自民党からの出馬を決めた。しかも、官邸サイドは朝日新聞とテレ朝を目の敵にして、首相を誹謗したということで謝罪広告を要求したり、損害賠償訴訟まで起こすと脅かしている。もともと新聞や週刊誌は読まないと本人は豪語していたと思うのである。

 昨日は富士山の青木が原まで出かけて、青少年とともにゴミの回収をしている姿を画像に収めて、環境を愛する人である演出をしていた。今日はまた、日本ダービーで64年ぶりに牝馬が優勝したのであるが、府中競馬場にまで出馬して、表彰式にちゃっかりと顔を露出していた。その真偽は確かめようもないが、夫妻ともども馬券を当てたと報道されている。たとえ的中したとしても、高貴な方々はタレントみたいに公表しないものである。

 肝心の国会では、5000万件にものぼる消えた年金問題をうやむやにしたまま、社会保険庁の改革法案を強行可決してしまった。この人は気に入らない質問や野次に対して、すぐに感情をむき出しにして、声を荒げて相手をへこまそうとする近来まれな品格のないおこないであると思う。最高権力者はもっと誠実に洗練された答弁をする義務を負っているはずである。