食糧事情

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食糧事情について
 テレビでは大食い選手権、旅を絡めたグルメ探索番組、料理番組などがチャンネルをひねると、どこかで放映されている。生活に必要な衣食住のうち、人が生きていく上で欠かすことができないものは食である。われわれの口に入る食糧のうち、その60%は海外からのもので、もしも災害や戦禍で日本への船や航空機が止まったとしたら、日本国民はたちまちにして飢餓状態に追い込まれてしまう。


 国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、世界の人口は現在の65億人から2050年には90億人と予測されているので、穀物需要が大幅に増加すると出されている。穀物は地球環境の温暖化の影響で水資源不足による減産に加えて、限界の見えてきた石油に代わる燃料としてエタノールの原料となるトウモロコシなどの穀物需要の増加で、世界的に不足して深刻な問題を人類に投げかけている。

 本年度の農業白書によれば、過去50年間での日本人の食生活は自給できる米中心から、畜産物へシフトしてきていることが示されている。米の消費量はほぼ半分になっているのに控えて、畜産物は4倍強に増加している。要するに和食中心から洋食中心へと変化して、これに伴い、食糧自給率は70%から40%になってしまった。身近な食品で自給率が5割を越えているものは米(95%)、野菜類(80%)、魚(60%)、豚肉(50%)程度である。

 高齢化や晩婚化で外食や調理品消費が増加しているので、この傾向はさらに進むものと予想される。ここで食生活の意識を昔に戻して、和食中心へ帰ることで食料自給率を向上させることできるし、がん撲滅やメタボリック症候群の予防など健康向上にもつなげることが可能となる。しかし、かたやこうなれば日本はますます長寿国となり、高齢化社会も進展することとなる。そのような社会でも国民が幸せに暮らせる仕組みを考えていきたい。