日本的品質管理はどこへ

日本的品質管理はいずこに
 電子レンジ、冷蔵庫、乾燥機など合計300万台以上となる家電業界で最大規模となるリコールという。部品の不具合による原因で発煙や発火の恐れがあるので、電子レンジ12機種、冷蔵庫5機種、衣類乾燥機11機種が無償点検と部品交換の対象となっている。

 今月から施行されている改正消費生活用製品安全法で国に報告が義務付けられている重大事故の対象外であるが、火災などの可能性があるので、新たな事故を予防するために積極的に情報を開示したと、松下電器産業はいう。企業側のこうした積極的なトラブル開示は評価するものの、あれだけ世界に誇りにしていた日本的品質管理の精神はどこへ消えてしまったのだろうか。このリコールに要する費用はおよそ50億円とみられている。

*改正消費生活用製品安全法:製品事故の被害拡大防止を目的に、国への事故報告を義務付けた。報告対象は、?死亡、重傷事故、?後遺症の事故、?一酸化炭素中毒、?消防が認定した火災などの重大事故。