唐突な更迭

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唐突な農水相更迭
 当の本人は農業交渉で渡米してアメリカの関係者との会談の準備を進めていたが、急に官邸に呼び出されて「まだ若いのだから、出直してほしい」と首相から言われて、その場で辞表を書いたという。前の晩に辞表提出を考えていたと説明しているが、辻褄あわせにすぎないことは明白である。あれほど事務所問題で騒がれていたのに、かばい続けていた首相が選挙が終わった今の時期にどうして解任するのか理解に苦しむ。
 
 領収書の郵便局名と収支報告書の局名が違っていたという新たな事実が出てきたので、首相がこらえきれなくなったというが、本当はタイミングのよい更迭の時期を狙っていたのであろう。首相は任命責任を問われたくないために、農水相が不祥事でぼろぼろになるまで放置しておいた。そして、参議院選挙で大敗した責任を薄めるために、最も適当な生け贄としたのであろう。ある意味では農水相はこの政権の犠牲者ともいえよう。

 党内はもとより、続投しても落選した人たち、敗北した自民党の地方組織、議席を減らした公明党などから、最高責任者へ怨嗟の声が澎湃として上がり、やがて四面楚歌という状態になっていくように思える。

 先にも書いたとおり、年金、事務所経費、失言などは今回の選挙敗北の主要因ではなくて、これらさまざまな問題に対するリーダーとしての自覚と処理の仕方が問われているのである。どんな組織でも問題は起きるが、その時にトップがどのような態度でどのように処置するかで、そのリーダーの資質が判断される。