電撃的辞任

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電撃的辞任
 自分でくびにしたはずの防衛事務次官から神妙な顔をして、送別の辞を受ける羽目になってしまったのは、まるでオペラの喜劇をみているようであった。「女賢--さか--しくして牛売り損なう」という諺を連想させることである。ワシントンDCでは、和製ライスと呼んでくれとか言って、つい先日、日本国の新防衛大臣が訪米してきたはずだが、就任の挨拶に来たのか、お別れの挨拶に来たのかすら分からないというのがブッシュ政権内での評価である。

 日本国も女性が防衛大臣に就任したとかで、もの珍しさからそれなりの歓迎体制で迎えたはずであるし、ブッシュ大統領イラクとの対比で、イラクのようにひどい国であった日本も、今や女性が国防大臣に就任するほど民主的な国となったと演説の素材として使ったほどである。

 辞めると言い出す、前日までは留任すると意欲まんまんであったのだが、突如、留任できないと知って、辞めてやるという啖呵をきったのが真相のようだ。今臨時国会で最大の問題であるテロ特措法延長について、この女性大臣では野党からの集中砲火をかわすことは難しいとの自民党執行部が難色を示したのが原因であろう。

 与党からも野党からも大臣失格の烙印を押されてしまった。残念ながら、この人には一兵卒がふさわしいのかもしれない。