ナッツーボルト

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ナッツアンドボルト nuts and bolts
 英語の熟語としてnuts and boltsといえば、ものごとの基本とか要諦などという意味で使われる。日本語ではボルトとナットというように、ボルトが先に来るが、英語ではナットが先に来るのも面白い。那覇空港で起きた中華航空機の爆発炎上事故で、同型機の緊急点検がすすめられている。ボルトとナットだけではいくら締めても、使っていると振動などで緩んでくるので、ナットの内側には緩み留めの座金--ワッシャー--が挟まれるのが普通である。座金は一種のばねであり、ナットの内側から緩みを押さえ込む役割をする。


 この座金が欠落していて、ボルトが外れて飛び出し、燃料系統を破損した事が事故の原因とされてきた。問題は、この座金の欠落が、製造時点で起きていたのか、その後の保守点検の時に起きていたのかということになる。前者ならば、航空機製造メーカーの責任であり、後者なら整備会社の責任となる。

 ボーイング737型機は小型の機体で、世界では5000機も飛んでいる普及機である。最初のフライトは今から40年前の1967年であり、座席数最大100の商業機としては最も使われている機体である。そのため事故の記録も多く、記憶に残るものとしては1988年のハワイのアロハ航空で、空中で胴体の上半分が吹き飛ばされた姿で無事に生還した姿である。小型機であるので、座席から外を見ると、翼とエンジンがかなり滑走路面に近くて、バランスを崩すと接地するのではないかと恐れられている。

 ミネアポリスの橋の崩壊も、トラス構造の節点にあるボルトとナットの腐食によるものではないかと言われているが、まさに基本をおろそかにすることはできない。

    • Give attention to the nuts and bolts of your job.